宍戸 凛花 | 東京名花

彼女のそばに立つと、まず感じる優雅な甘い匂い。
けれど、すぐにそれだけではないと気づく――。

首筋へと鼻を寄せれば甘い香りの奥に潜む女の匂いが絡みつき
吸い込むたびに胸の奥まで痺れるような快感が広がる。
ふと唇が触れてしまえば熱を封じ込めた果実のような味があり
無意識に舌で深く確かめたくなる。

指先をかすめただけで、なめらかな肌が震え、
その反応がさらに濃厚な匂いとなって空気を満たしていく。

品性と生々しい女の色香が絡み合い
それは鼻から脳へと直接快感として叩き込まれ
男の心拍は早まり、股間が疼き始める。

彼女は知っている。
男が欲望を抑えきれなくなる瞬間を――。
香りを調合するように、じわり、じわりと匂いを重ね
やがて抗いようのない渇望を作り出すことを。

それは理性を溶かす媚薬のよう。

そんなものに支配されたら最期。
貴方は本能のままに雌を求める獣となることでしょう。
そして、それは柔らかく優しい表情をした甘い誘惑の罠。
狩られるのはあなたの方かもしれません。

美しき調香師は、色気という香りで酔わせ、身体で惑わせ
あなたを決して逃がさないのです…。