左京 祷 | 東京名花

彼女が部屋に訪れた瞬間、空気が変わる。

テレビで見る可憐な笑顔はそのままに
画面越しでは決して見せない大人の色香が
抑えきれずに溢れ出ている。

艶やかな黒髪を背中に流し
薄いシルクのドレスが肌に吸い付くように沿って
歩くたびに胸元が危うく揺れる。

首筋から漂う甘く深みのある香りは
まるで触れてはいけないと誘う禁断の果実の匂い。

細く引き締まった腰から弧を描いて広がるヒップラインは
男の理性を音を立てて崩壊させるほどの魔力を持つ。

甘く湿った吐息が耳元をかすめるだけで背筋に電流が走る。
自ら膝をつき熱を孕んだ瞳で上目遣いに見つめてくる。

何百万人の前で可憐に微笑む彼女の唇が、秘所が、
今夜はあなたの欲望だけを満たすために開かれる。

ここでは芸能人じゃない―ただ発情した一人の雌。
テレビでは決して見せない、獣のように淫らで甘く蕩けるような本性を晒す。

舌先が這う感触、喉奥で震える声
すべてが淫靡で、狂おしいほど理性を溶かす。

「ねぇ……全部、好きにしていいよ。私を壊して?」

その権利を手にするのは、あなたか、もしくは…。

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